11月29日は“いい肉の日”

写真絵本うちは精肉店 

「人は、いのちをいただくことで生かされている。牛の肉が人のからだになる。生きるとい うことは、いのちをつなぐということ。だから牛に感謝し、誇りをもってこの仕事をしてきたんだ」。

そう語る北出昭さんは、兄・新司さんとともに大阪府貝塚市で江戸時代から続く精肉店を営んできました。販売する肉は、市場で仕入れた子牛を成牛まで育て上げ、自ら屠畜・解体して精肉にしたもの。しかし、そのこだわりの仕事も昨年、屠畜場の閉鎖により変更を余儀なくされました。

写真絵本『うちは精肉店』(写真と文 本橋成一/発行 農文協)は、その屠畜最後の日を追った作品です。見事なナイフさばきによって生きた牛を屠畜、解体し、皮や肉、内臓、骨、血に分けていく様子、皮を数ヶ月かけてなめし、地元の祭「だんじり」で使う太鼓に仕立てていく工程などが描かれます。いただいた牛のいのちを余すところなく生かすことで、そのいのちを人間が確実につないでいく。そうした「いのちの連鎖」を描きます。

本書は、「第23回けんぶち絵本の里大賞」(北海道・剣淵町絵本の館主催)で、大賞に次ぐ「びばからす賞」を受賞。

その北出精肉店を舞台にした映画「ある精肉店のはなし」(監督:纐纈 あや)が近日公開されます。映画は、北出さん家族の仕事をつぶさに追うとともに、いつも笑い声の絶えない家族4世代の食卓など、「生」の本質を見続けてきた家族の記録です。

 ●東京:ポレポレ東中野で 11月29日 “いい肉の日”~

 ●大阪:第七藝術劇場で 12月7日~

 ●名古屋:シネマスコーレ(公開日未定)

公開に先立ち、釜山国際映画祭と山形国際ドキュメンタリー映画祭では招待上映されました。前売り券は農業書センターでも扱っています。

(日本農業新聞11月17日「書店へいらっしゃい」)